私がまだ小学生の頃。
怖い話なんかがとても流行っていました。
その流行りに乗っかって、
私も怖い話の本を読んだりしていました。
そんな頃から、毎晩金縛りにあうようになったんです。
普通に寝ていて、突然身体が動かなくなります。
そして、首を絞められているかのような苦しさがあり、
目は開くのですが、身体が動かないので、
どうすることも出来ないのです。
そこそこもがいてみて、
だんだん首を絞められているのが緩み、
金縛りが解ける、そんな毎日が続きました。
余りにも毎晩起こるので、
怖くてよく御守りをパジャマに忍ばせ眠りました。
それでも毎晩続くので、眠るのが怖くなるほどでした。
ある日の晩、その日も突然身体が動かなくなり、
首が絞まるいつもの金縛りが起こりました。
どんなにもがいても解ける気配もなく、
もがき続け、思わず目を開けた私は、
自分の足元にコートを着た男の人が立っているのを見たんです。
みんな寝ているのは知っていたので、父親ではありません。
泥棒なら助けて欲しいと思ったけど、
頭はパニックで怖くて怖くて
思わず目を思い切り瞑って、とにかくもがきました。
数分経ったでしょうか、いつの間にか、
金縛りは解け、足元にいたコートを着た男の人もいなくなっていました。
ホントに怖かったので、翌日から枕の向きを変えて寝ることにしました。
すると嘘のように金縛りがなくなりました。
御守りをパジャマに忍ばせることもなくなったんですね。
そして数ヶ月経ち、
そんな怖い記憶も忘れかけた頃、
友達が貸してくれた怖い話の本を読んでいて、凍りつきました。
金縛りにあった時に、足元にコートを着た男の人が立っていて、
その人が笑うと、そのまま死んでしまうと書いてあったのです。
金縛りにあった時にコートを着た男の人が現れることがあるんだとわかったこと、
この経験は自分だけではなかったのだということがわかり、本当に怖かった。
私はそのコートを着た男の人の顔が見えなかったけれど、
もし、見えていたらと思うと本当に怖かったです。
そしてもう一つわかったこと、
霊が通る通り道を私が寝ていて邪魔をしていたようで、
毎晩金縛りにあっていたということです。
どこにでも霊が通る通り道があるようで、
寝ていたとしてもやっぱり邪魔なんだなと感じました。
あれから数十年経ちますが、あれ以来金縛りにあうことは無くなりました。
あの頃のようは純粋さがなくなったからかもしれませんが、
もうあんな体験は懲り懲りです。
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