夢で見た事の話です。
先にそれを書いておきます。
ありえないことの羅列になると思いますが、全て夢の中の話です。
当時幼稚園に上がる前の私が繰り返し見ていた夢の話です。
夢の中で目を覚ました私は、家の中に一人でいます。
いつも台所で作業をしている母の姿が見当たらず、
ベビーベッドにいるはずの妹の姿もありません。
家の1階を探し回り、泣きながら階段を登っていきます。
そこで毎回目が覚めます。
目が覚めるのは毎回真夜中。
そのたびに私は、自分の枕を持って、母の寝室に行きました。
そんな日が何回か続き、流石に母も嫌になったのでしょう。
その日は自分一人で寝るように、ときつく叱られ、泣きながら廊下を戻りました。
ただ、階段の手前で言いようのない恐怖に駆られ、
私は一度両親の寝室に戻り、もう一度添い寝をねだりましたが拒否されてしまいました。
どうしようもなく、私は枕を抱っこしたままその場に座り込みました。
いつの間にか眠ってしまった私が、そこで見た夢は、また違いました。
ふと、気がつくと、階段の吹き抜けの所に、階段があります。
黒いモヤで覆われていて、その先は見えません。
少し興味を持った私は、それに近づいて、階段を一歩づつ登っていきます、
ただ、黒いモヤに触れた瞬間、小さい虫に噛まれるような嫌な感触がありました。
私は慌てて階段を降りると、再び元の位置に戻りました。
次に目を覚ました時には、朝になっていました。
もちろん、夢の中では階段があったそこは、いつも通り吹き抜けでした。
それ以来は、特にそういう夢は見ることはありませんでした。
見たとしても、ゾンビに追いかけられる夢くらいでした。
幼い子供の見る夢なので、何もない、とは思いますが、
未だにふと、思うことがあります。
もしあのまま、私があの階段を昇っていたら、
夢はどんな展開になっていただろうか、と。