ある大学病院での出来事。製薬会社の営業(MR)の話

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私は製薬会社の営業、MRと呼ばれる仕事をしています。

以前、ある大学病院を新たに担当する事になり、担当引き継ぎをしていた時の体験です。

その大学病院に行くためには事前予約を取る必要があったため、前任者はあまり行く事が出来ていませんでした。

その為、担当引き継ぎの際、少し病院内で迷ってしまいました。

目的の場所は薬剤部。

病院の地下1階にあることは前任者も記憶してましたが、同じような白い壁と無機質なドアしかなく薬剤部の場所がわからなくなっていました。

大学病院は広いので慣れるまではよく道に迷います。

回りを見渡すと病院職員らしき人がいた為、道を聞こうとその人の方向に向かいました。

その職員に追いつくと、そこは霊安室でした。

薬剤部の場所を教えて頂き、私達はそちらに向かい、職員さんは霊安室に入って行きました。

しばらく歩いた後、前任者が霊安室は怖かったと話し始めたので

『そうだね。何がゴーって音がしたし、中から風が吹いてきたしね』て答えると、

『怖がらせないでくださいよ』と言われました。

前任者は音も聞こえなかったし風も感じなかったと言います。

私も気のせいだったかなと思い、そのままやり過ごしました。

薬剤部の場所がわかったので担当の薬剤師さんに会い、担当交代のご挨拶をしました。

間違えて霊安室に行ってしまったエピソードを話すと、間違えやすいからねとの返答。

よくあることのようでした。

要件が終わり病院から出る時に霊安室方面との交差点を通りました。

私には霊安室方面から歩いてくる人が見えました。

病院を出てから霊安室が怖かったと言う話になり、帰りに霊安室方面から歩いてきた人は幽霊かもねと言うと、

そんな人いませんでしたよ。と言われました。

どうやら私にだけ何かが見えてしまったようです。

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