私が学生だった頃のお話です。
静岡の伊豆半島の下田に別荘があり、毎年夏になると家族で一週間近く滞在することが恒例でした。
母方の親戚が遊びに来たときのことです。
私は風邪をひいてしまい、夕方から横になりウトウトと眠りこんでいました。
夜、12時をまわった頃のことです。
急に体が重くなり、動けなくなりました。
目だけは動くことができたので辺りを見てみると、
空の仏壇のまわりに、20センチ程の白い綿のようなものが20近く浮いていました。
怖いと思うより、びっくりしてしまい、しばらくその状態を見ていました。
どのくらい時間が経過したか分かりませんが、いつのまにか体が動くようになっていました。
安心して眠ろうとすると、廊下から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。
親戚のお姉さんが赤ちゃんを連れてきていたので、きっとその子が泣いているのだろうと、そっと様子を見に行きました。
夜中、うっすらとした光のなかで女性が赤ちゃんを抱っこしている姿を見て、特に話しかけることもなく休むことにしました。
翌朝、私の熱も下がり、家族と食事をしていると親戚のお姉さんと赤ちゃんがいないことに気が付きました。
まだ休んでいるのかなあと母に訊ねてみると、昨日の夕方に帰っていったとのこと。
私が夜中に見た女性と赤ちゃん、赤ちゃんの泣き声はなんだったのだろう・・・
しばらく呆然としました。
元々、霊感のようなものが強く、自宅や学校でも不思議なものを見たり、ナゾの声聞いたり。
母に相談したこともありました。
母はどこからいただいてきたものか分かりませんが、
お札のようなものを私の部屋の天井に貼りつけたりもしてくれました。
そんな私でしたが、二十歳になった途端に、そういったものが一切なくなりました。
今でも、その手のものにはご縁がありません。
平和に、静かに暮らしています。