この話は、私の友人聞いた話です。
私たちが住んでいる地域では、修学旅行の定番コースといえば、
東京・大阪でディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンで遊び倒す…というものでした。
しかし、生徒の数が増えて予算が確保できるようになったことから、
友人の学年の代から、沖縄への修学旅行を試みるようになったそうです。
中には東京や大阪で遊びたいという生徒も多かったようですが、
私からみれば、沖縄はそう行ける様な場所ではないし、なにより修学旅行の時期が冬だったこともあり、南国にいけるというのは羨ましかったです。
気候風土の違いから見る町並みも、食文化の違いも、何もかも新鮮で面白いだろうなと、
友人の話を聞いて呑気に考えていました。
しかし、修学旅行から帰ってきた友人にお土産話をねだった私に、
彼女は開口一番「二度と行きたくない」と口にしました。
理由を尋ねると、驚くべき内容が友人の口から語られたのです。
初めての沖縄に胸を弾ませ、初日の行程を終えた友人たちが泊まったホテルで、それは起きたそうです。
そのホテルは元々マンションだったところを改築して利用しているとのことで、
宿泊費を抑えるために、旅行会社が予約したホテルだったそうですが、内装も綺麗だし特に気になるところはなかったようです。
高校生なので、ホテルで夜遅くまで語り合うのは最早定番の流れでした。
教師の目を盗んではしゃいでいた生徒たち。
そんなとき、友人の携帯電話がけたたましく音をたてました。
もう夜中だからと、マナーモードにしていたにもかかわらず、
大音量で鳴り響く携帯電話に、周囲の生徒も焦って早く音を止めるように友人に催促します。
しかし、友人はディスプレイを見て青ざめてしまいました。
そこに表示されていたのは、疲れて先に眠ってしまい、隣で寝息を立てているはずの生徒の電話番号だったからです。
恐る恐る通話ボタンを押すと、耳元に流れるのはぼんやりとしたノイズだけ。
それを皮切りに、ほかの生徒の携帯電話にも着信が入るようになり、部屋の中は一時騒然としたそうです。
この話を、霊感があるという知り合いに話してみると、霊というのは、電波に乗って現れることが多いのだと教えてくれました。
曰く、霊は粒子のようなものなんだとか。
私にはよくわかりませんが。
沖縄県は、日本で唯一地上戦が行われた場所です。
大勢の人の無念な思いが、あちこちに漂っているのかもしれません。