兵庫県の手形のつくトンネル。
兵庫県姫路市には有名な心霊トンネルがありますが、
それのすぐ近くにあるトンネルも地元では有名な心霊スポットとなっています。
その心霊トンネル付近のせいなのかは不明ですが、
夜にそのトンネルを通ると車体におびただしい数の手形がついたという情報が多数上がっているのです。
そのトンネルの先には、昔父が勤務していた工場があり、
そのトンネル事体の交通量もそこそこなので、人気がないわけではないのですが
(その脇道をそれると件の心霊トンネルにつながります)
手形の報告は毎年のようにあるそうです。
手形以外は特に目撃情報がないので、交通量も別段減ってもいません。
トンネルに、なにかいる
昼間の目撃情報はほぼないに等しく、幼いころ、
父親の会社の社員旅行などについていくときに、そのトンネルを何度か通ったことがあるのですが、
我が家の車体には一度も手形が付いたこともなく、ヒヤッとしたこともありませんでした。
父親が毎回脅かしてくる程度で、
昔から霊感が強いと住職さんにお墨付きをいただいた姉も特に変化なく通過していました。
その後父の転勤が決まり、そのトンネルは全く利用しなくなりました。
そんなことで、私の中ではあのトンネルの怪談はただの都市伝説となっていたのですが、
二十年後、夫と例のトンネルの向こうにある観光施設に行くことになり、
そのトンネルを久しぶりに通過することとなりました。
二十年も経ってはいたのですが、父が何度も脅かしていたこともあり、
心霊スポットであるということは覚えてはいましたが、
特に何もなかったために恐怖感はなく、むしろ夫を脅かしてやろうとトンネルにつくなり夫にその話をしました。
その時、急に耳鳴りがしたのです。
夫には怪談話をしている途中だったのですが、夫から「何?聞こえない」と言われてしまいます。
私自身も自分の声が耳鳴りで聞こえない。
トンネルの空気圧のせいかと思ったその時、車がバン!と何かを轢いたような、
何かにぶつかったような音がしたのです。
道の途中で後続車もあったために止まることは出来なかったのですが
(後ろを振り返っても轢いた形跡はない)
トンネルを抜けて脇道に車を止めてみてみると、
ボンネットに何かがかすったような跡がある…
夫も私も前を見ていたのですから何かぶつかれば築くはずなのですが、まったく見えませんでした。
そして、あの耳鳴りもトンネルを抜けると全くなくなっていたのです。
その後は特に何もなくすごしていますが、それ以来心霊スポットを面白半分で語るのはやめようと思いました。