これは、私自身ではなく、お友達のお話です。
急に引っ越ししたくなり、
両親にも内緒で不動産屋さんと一緒にマンション巡りをしました。
いくつかの譲れないポイントがあったのに、
この場所は希望の最寄り駅とは違うと思いながらの見学だったのに、
一件のマンションが、どうにも気に入って決めてしまったのです。
初めの数日は何事もありませんでした。
不思議な気配を感じるようになり、パシッ、パシッと、
ラップ音が響くようになってしまいました。
また、学校からの帰り道、いつもの最寄のバス停で降りたはずなのに、
景色も空の明るさもバスから見えてた様子と違い、
家に帰る道がなくて帰れなくなったりと、
とにかく不思議な事が続けざまに起きたのです。
そんなある日、通っていた学校の授業中のことでした。
払いきれない睡魔に襲われ、崩れるように机に伏せて眠ってしまったのです。
その同時刻、学校の机に伏せて眠っているのを、
同級生が揺り起こしても、起きずに困っていたのに、
お父さんの仕事場にも友達は存在して、
「困ってるの。怖いの。どうにかして助けて、お父さん」
と、だけ言い、詳しくは説明しないものの、
1時間も懇願したのだそうです。
お父さんの側から友達の姿が消えた頃、
あれだけ揺すっても起きなかった友達は、
ぱちっと目を覚ましました。
仕事を終えて家に帰ったお父さんは、お母さんに、
学校休んで帰省しているんだと思ってた友達の居場所を聞いて、
「学校でしょ?遠いのに、平日にイキナリ帰って来れるハズないでしょ」
と、言われて我が子に確認してようやく、
先程懇願したのは現実の我が子ではなかったことに気がついたそうです。
親子で話し合った結、お祓いをした方が良いのではと言うことになり、
お寺に向かったのですが、
そこで
「引っ越しした先が、爆心地から近すぎて
自分が亡くなった事さえ理解できてない方の霊が集まってる場所で、
子供さんの妹さんにあたる方の水子の霊が子供さんには憑いていたのですが、
その水子さんがたくさんの霊に堪えられず苦しんでいる」
と、言われて非常に驚かれたそうです。
建物の霊は数が多すぎて、再び引っ越しをされ、
水子の妹さんは、供養されたそうです。
水子さんは、障害が重過ぎて流産された子供さんだったそうです。