私が小学校のときに体験したお話です。
小学校5、6年の時に、
心霊体験や怖い話がクラスではやりました。
それ自体はよくあることで、
放課後は割と頻繫にこっくりさんや
エンジェル様を楽しんでいる子が多かった事を覚えています。
当時私は友達も多く、よくそういった事に参加していました。
こわい、とか言いながらあまり本気では怖がっていませんでした。
と、いうのも私は全く幽霊やお化けの類を見なかったからです。
ある日こっくりさんを遊び終えたあとに、
学校のトイレにひとりで行きました。
うちの小学校は古く、
入り口が必ず「ギー」と大きな音を立てます。
そのためあまりトイレに入るのは好きではありませんでした。
その日たまたま扉を開けると、
入ってすぐ左に小さい男の子がいるのがわかりました。
ジーンズ生地の青いオーバーオールを着ています。
3歳くらいの子だったので、女子トイレに入ってきたのでしょう。
私はたいして気にもとめず、個室に入り用を足しました。
多分2~3分程度しかかかってなかったと思います。
個室から出ると、男の子はいませんでした。
どこかに行ったのかな、
程度しかその時は思わず手を洗って外に出ました。
しかしのちのち考えてみると、
あの男の子はどうして
扉の外に出たのに音が鳴らなかったのか。
そもそも何故、
小学校にまだ学校にも通っていないような子がいたのか。
顔を思い出そうとしても、全く思い出せないのです。
トイレから出た後、友達に
男の子を見なかったか聞いたのですが、
「見ていない」ということでした。
私は変な事もあるものだな、と思い
帰り支度をするために自分の席に戻ったのです。
席を机から引き出したときに、
私は思わず席を凝視してしまいました。
何故なら、血のような赤い手のひらのあとが、
座席にべっとりついていたからです。
今はその小学校は廃校になり、もうありません。
座席の血は、ハンカチで拭いた思い出が残っています。
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