友人と失踪した赤い人形(静岡県沼津市)

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これは20年程昔静岡県に住んでいた時、まだ携帯電話がなく家庭の固定電話で友達と連絡を取り合っていた頃の話です。

幼馴染みの友人が就職が決まり会社近くのアパートに引っ越すことになりました。

私はそれを手伝うため荷物を部屋に運んでいたのですが、その中に赤い和服を着た人形がはいっていました。

なんでこんな物持ってきたのか不思議に思ったのですがそのときは何も言わず引っ越しを終わらせたのです。

それから2週間たってから変な噂を聞くようになりました。

彼女もいなく母親とも暮らしていない友人の部屋に不気味な女がいるというのです。

詳しく聞くと友人の家に電話をかけると必ず女性がすすり泣く声が聞こえるということでした。

どうせ嘘だろうと思いその時は気にする事はありませんでしたが、それからしばらくして友人に会いにいこうと電話をした時です。

留守番電話が流れたので電話を切ろうと耳から少し受話器を離した時、

「あああ…」と言う女性の声が聞こえ、怖くなった私は慌てて受話器を置きました。

翌日気になった私はアパートに行きました。

友人は前より痩せ細り寝不足のような顔をしていました。

何があったのか聞いてみると引っ越しをしてから見覚えのない赤い和服の人形が部屋にあり不気味になって捨てたそうなのですが、

捨てるたびに夜中金縛りになり、起きると家の中に戻っている。

最初に捨てた時は玄関に戻っており、次に捨てた時は廊下、その次は寝室の前、今日は捨てに行っていないのに金縛りにあい、起きると寝室の扉が開いていて、そこに人形が立っていたそうです。

恐ろしくなった友人は御札を買い、押し入れの天井の裏に人形を置き、その御札を貼ってガムテープで開かなくしたそうです。

私はその日夜勤の仕事があったので会社に行き深夜の2時を過ぎた頃でした。

会社の電話がなり出てみると男の苦しんでいるような声がしばらく聞こえ、友人かもしれないと思い何度も名前を呼びましたが返事がありません。

それがしばらく続くと急に静になり、耳をすませて聞いていたのですが、鼓膜が破れそうになるほどの大きな女性の叫び声が聞こえ電話は切れました。

仕事が終わり急いで友人のアパートに行くと玄関の鍵は掛かっており、管理人の方に事情を説明し一緒に入ってもらうことにしました。

部屋の中は昨日会った時と変わりはなく、友人の姿はありません。

押し入れの天井に置いた人形が気になったので見てみると御札が無くなっていましたがガムテープは貼られたままでした。

恐る恐るそのガムテープを剥ぎ天井裏を覗くと友人が、人形を抱いたまま横たわっていたのです。

急いで天井から下ろし友人は無事でしたが、話かけても全く反応せずずっと目を見開いていました。

その後友人は人が変わってしまったように誰とも話さなくなり。現在まで行方不明です。

今思えば謎だらけの事でした。

電話の向こう側の女性の声は誰なのか、あの人形はいったい何だったのか。