朝から夕方まで、クワガタとカブトムシを捕りに上がっていました。
丁度、これは私が22才の頃の話になりますが、
西の岳のふもとには地元の人や民家もあり、知人もその一人
になります。
週末になると、知人宅に5-6人集まり、
よく深夜の山をバイクで探検に出掛けたものです。
肝試し
期間にすると3年間は、殆んど日課のように週末は集合して2人乗りで、
深夜の山を走りぬけます。
それまでは何の異常もなく、ただただバイクの刺激とスリルで走り込んでいたのですが、
ちょうど夏の終わりの時期になります。
田舎ではお盆8月13~15になり、この日には霊が家の仏壇に帰ってくる日なのです、
縁側に提灯をさげて、お供え物を準備して
霊の帰宅を待つ恒例の儀式みたいなことをやります。
過去はこのお盆にはさすがに山には登ったことは有りませんでした、
その日は肝試し気分で知人と2人だけでバイクで山へ登ります。
自殺の樹
ちょうど、中間あたりに差し掛かった時ですね、
大きなクワガタの木があり、そのクワガタの木は
昔30年も前に首吊り自殺があったと地元の方から聞いていました。
昼間は明るいので、そんな話を聞いても怖くないのですが、
さすがに夜になると、しかも真っ暗な深い山で怖いですね。
そのクワガタの木は自殺の跡は少しずつ枯れ始め、
その後クワガタが1匹もとまらなくなったと聞いています。
クワガタの木に差し掛かった時、私は運転していました、
後ろの知人がちょっと停まって!
それは高い山から見下ろす角度になります。
水が溜まった田んぼの灯り
山からは下の佐世保の街の明かりが薄っすらと見える程度で、
あたは周りも真っ暗で、バイクのライトだけが頼りになります。
上から見ると下が田んぼになり、だんだん畑になり
その田んぼから、小さな明かりが上がってくるので、
誰か田んぼ道を懐中電灯を持って歩いてくるのだろうと思い見ていました。
すると田んぼは水が溜まり、灯りは真ん中を真っ直ぐ私たちの方に近ずいてき、
ようく見るとゆらゆら揺れているのです。
冷静に考えると深夜の1時すぎに徒歩で田んぼの中を歩く人はいない、
不思議に思い近くまで知人とみていました。
すると、ゆらゆら揺れながら近ずいてきた瞬間に、
知人とバイクで逃げ出しました。
火の玉です、もう無我夢中で山道を走る抜けるだけ二人は放心状態です。
運転する私も、会話もできず、その場から逃げ出しました。
あの体験は始めての火の玉の体験になり、
その後1週間後に友達も集合して5-6人で深夜の山へあがりますが、
二度と火の玉は現れませんでした。
青春時代の恐怖な体験でした。