知人から聞いた話。
古いホテルに泊まった時のこと。
そのホテルは古い木造2階建て。
外から見えると狭く見える。
でも中に入ると迷路のように複雑な間取りになっている。
室内は、シミだらけの木の天井、
暗い灰色の砂壁、黒い配色の床は、歩くとミシミシ鳴り、薄暗い、
今にも切れそうな白熱灯で、蜘蛛の巣も張っていて見るからにお化けが出そうな場所である。
夏休みシーズンだというのに他の客の気配すらない。
静けさが余計不気味さを感じさせる。
知人とその友達は好奇心で、ホテル内の探検を始めた。
古い細い廊下は歩いても歩いても道があり、
曲がっても曲がっても道が続いている。
不思議だ。
こんなに広いはずないのに、、。
途中で疲れ、障子張りの電気がついている部屋をそうっと開けた。
管理人さんでもいるのかな?と思い中を見ると、、。
そこには目をうたがう光景があった。
ホコリまみれになっている消防車が、和室の畳の上に停まっていると言う、
あまりにもミスマッチの光景が目に飛び込んできた。
え?どういうことだろう?
管理人さんの趣味なのかな?
でも和室に消防車って不思議だと思いながらも、
雰囲気が不気味な為、落ち着かず、
その部屋を後にして自分の部屋に戻り、消灯した。
次の日の知人と友人はあの消防車のことが気になり、
また見に行くことにした。
昨日、あれほど、長かった廊下があっという間に行き止まりになり、
道を間違えたかな?と思い、ホテルの受付に戻った。
それとなく管理人さんに、消防車のことを聞いてみると、
「なんのことですか?部屋の中に車を停められるわけがないじゃないですか?しかも消防車って笑」
と笑われた。
管理人さんが何かを隠してると思い、
再び消防車の部屋を探してみたが、
二度と辿り着くことはできなかった。
知人とその友人はしばらく恐怖で動くことができなかっだ。
そして、あの消防車は知人に何を知らせたかったのだろうか。
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