大分以前に東名高速道路の日本坂トンネル下りで大規模なトンネル火災が発生し、多くの人が亡くなりました。
その後、トンネルは復興工事をして再開通しました。
その数年後のことです。
深夜(0時頃)、御前崎まで行こうと一人でこのトンネルを走っていました。
すると、トンネルの天井になにか煙のようなものが渦を巻いているように見えるのです。
ここでは、沢山の人が亡くなっていると知っていましたので、少々不安を感じました。
私は、見ることはほとんどないのですが、嫌な感じは時々解ります。
早くトンネルを抜けてしまおうとアクセルを踏みました。
すると、いきなり肩をシートに押しつけられるような感じがし、なんと脚が動きません。
アクセルに足はのったままです。
幸いなことに車の量は少なく、少しくらいのスピードは問題がなさそうです。
しかし、何か急に起きたならブレーキを踏めないのではないかと怖くなりました。
腕は少しは動きますが、まるで金縛り状態でした。
仕方なく、そのまま車を走らせました。
前方にトンネルの出口が見えたときは、ほっとすると同時に脇の下から冷や汗が出ました。
トンネルを抜けると、脚も動きますし、押しつけられていた肩も動きます。
思わず大きなため息をつきました。
もしかしたら、亡くなった人が無捻の思いを抱いていて、私を連れて行こうとしたのかもしれません。
そんなことは気のせいと言う人もいますが、あの怖さは今思い出しても冷や汗ものです。
そのトンネルも今は新しいトンネルが作られ閉鎖されました。
私のような経験をした人がいたのかもしれません。