これは、父親から聞いた話なのですが、
父が子供の頃、夏休みの時期を利用して
近所のお墓に肝試しに行こうという話になったのだそうです。
そこで、ヤンチャだった父は、霊が見えるやつが一緒にいれば面白いという話になり、
知り合いの霊感の見える友達(Gくんとします)を誘うことにしました。
その子は最初こそ激しく拒否しましたが、
父がその子の好物であるポテトチップスをあげたことでしぶしぶ同意したそうです。
そして夜中目的地についた父は、現地のお墓を蹴り倒して回るという罰当たりな行動に出ました。
父といっしょに来ていた子供達も父の真似をして一人一人お墓を蹴りまわし始めました。
ゲラゲラと笑いながらお墓をける友達の中でただ一人、その行動には参加せず、頭を抱えて、
うずくまる霊感の強い父の友達。
父が見かねて声をかけ、どうしたのかと尋ねると、
「お墓の中の先祖の霊達がすごい形相でこちらを睨み付けている」と震えながら言ったそうです。
それを聞いて父は友達に呼びかけ、墓場を蹴ることをやめさせました。
友達を呼び出し、事情を話したのですが、幽霊の話を聞いて、
血気だった父の友達の一人が、「幽霊って今、どこらへんにおるん?あそこか?」と、
出たら目に墓に指を差しました。
すると、Gくんがまた目を手で覆い隠し、足をがたがたさせながら震えだしました。
父がGくんに尋ねると、
「その友達が指を差した瞬間、大勢の幽霊がその子にむかって集まってきた」といったそうです。
その言葉にさすがに恐怖した父は友達を連れて、その墓場を後にしたそうですが、
翌日、その指を差した友達は謎の高熱に晒されたそうです。
母親につられて病院にいきましたが、医者でもその高熱の原因がまったく分からず、
結局40度近い高熱は三日三晩続いたそうです。
G君によれば、「墓をけるなんて罰当たりなことをしたからだ」と怒りながらいったそうですが、
その後G君とは連絡が取れず、いまも行方不明なんだそうです……。