今から約18年前の事です。
私は奈良県奈良市にある某小学校に通っていました。
当時小学校6年生の夏休み前の暑い日の登校時間におきた不思議な体験をお話します。
私の学校はよくある形の階段です。
当時小学校6年生だった私の教室は最上階にあり、
朝から段数の多い階段を手すりにもたれ掛かるようにしてダラダラ登っていました。
私の利用した階段のある場所は薄暗く窓からの光でほんのり明るくなるような場所でした。
階段を上っていくと、平成〇〇度卒業生寄付と書かれた大きな鏡があります。
私はその階段をうなだれるようにして上っていくと、ちょうど下から見上げる形で鏡の場所に差し掛かりました。
すると鏡には次の階の踊り場で帽子を被り、
黒いランドセルを背負って傘を片手に持つ男の子のシルエットがこちら側を向いてじっとたっていました。
知ってる子なら「おはよう!」と挨拶をする為階段を少し急ぎ目に上ったのですが、
男の子の姿はありませんでした。
不思議に思いましたが、その日は何も無く学校を終えて帰宅しました。
それでも何故か気になったので自宅に帰って考えてみたのですが、どうもおかしいのです。
階段の踊り場にあった鏡に下の段から覗いても次の階段の1番上の踊り場なんて写るはずがなかったのです。
雨でもないのに傘を持って登校している様子も何か違和感があり、
翌日同じ様に階段を上り同じ場所で鏡を確認してみたのですが、
やはり鏡に写るのは階段の途中であり、上の階の踊り場なんて見えず、
前日のことを思い出すとゾッとしました。
何気ない時に、もしかしたら誰しも不思議な体験をしているのかもしれない。
それに気づくか気付かないかの話かもしれませんね。