コックリさんは10円玉でやる降霊術です。
鳥居を挟んではい、いいえを書き、
その下にあいうえお表を書いた紙の上に10円玉を乗せて行うかなり有名なものですね。
有名すぎて、私も小学生の頃やろうとしたのですが、
その時、このエピソードを例にとって、強く止めました。
当時小学生だった母は、友人にコックリさんに参加しないか、と誘われて、友人の家に遊びに行ったようです。
はじめは、その友人宅に集まった他の友人達と普通のコックリさんで遊んでいたのですが、
やがて、その家に呼んだ彼女がこう言ったらしいのです。
ガラスのコップでやろう、と。
ガラスのコップでコックリさんを行うと、
普段より強い霊を呼び出せるらしいから試してみたい、というのが彼女の言い分でした。
ただ、感の良い母は、これに嫌な予感を感じ、参加せず、それを聞いた友人達も参加しなかったそうです。
その後、彼女に別れを告げて、家の玄関を出た直後、彼女の部屋からすごい音がしたそうです。
何から何までひっくり返すような音が断続的にして、
その中に、自室に置き去りにした彼女の、悲鳴のような、叫ぶような声が聞こえたらしいのです。
在宅中の母親が慌てて部屋を見に行き、母達も様子を見に行ったようなのですが、
引き返した部屋は惨状でした。
部屋の家具は中で台風があったかのように家具が倒れ、中のものが飛び出していました。
ただ、その中で暴れまわっていたのは台風でなく、その彼女だったようです。
ガラスのコップが倒れた状態のテーブルが、母の中には印象強苦残っているようです。
当の彼女は四つん這いで、人とは思えぬ身軽さで、室内をぴょんぴょんと飛び回っていた、と言います。
彼女は間もなく駆けつけた近所の人に取り押さえられ、救急車で病院に運ばれました。
後日、聞いた話によると、その後除霊師やらなんやらが来て、彼女の家は大変だったそうです。
数日後、彼女は、無事に登校してきたそうなのですが、
その目は狐のように釣り上がり、顔は無表情だったそうです。
彼女は、朝教室に入るなり、クラスメイト、あの日彼女と一緒にコックリさんを囲んだメンバーを睨んだそうです。
その翌日から、母は、一緒に彼女の家に行った友人達共々熱を出して学校をしばらく休む事になりました。
その間に彼女は引っ越し、何があったのかは結局解らずじまいだそうです。
数年立って、これを思い出して興味を持った私はネットでこの事を調べたのですが、
それらしい記事が見つからず、それからずっと疑問に思い続けています。
彼女の掴んだ「ガラスのコップを使う」という情報が、一体どこから出てきたのか、と。