あの世からの使いか?明け方に迎えに来る者

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これは私の義理の母に聞いた本当の話です。

彼女は第二次世界大戦後期に1人っ子として生まれましたが、

生まれてまもなく出征していた父親を亡くしました。

その後は病弱な母親と住み込みの家政婦(当時の子守り女中)に育てられましたが、

兄弟もおらず、親戚にも同じ年頃の子供がいなかったため寂しい思いをしていたそうです。

義母が6歳になった頃、母親が結核に罹りました。

もともと結核になりやすい家系だったらしく、この病気が元で亡くなった先祖もいたそうです。

今は結核は特に恐ろしい病気ではありませんが、当時は死に病でした。

戦後まだ物資も不足しており、医療品も乏しく、

父親のいない義母の家は貧しかったのでほとんど治療らしいことは出来なかったとのことです。

唯一の対応策が、患者を隔離して他の人間に感染させないようにすることでした。

義母の母親は家の離れに隔離され、家政婦が身の回りの世話をしていたそうです。

義母は母親に甘えたくても遠くからしか面会させてもらえなかったと言っていました。

もともと病弱だった母親は日に日に衰弱し、ついに危篤状態に陥りました。

その時になってようやく親戚たちが家を訪ねてきたそうです。

「今まで何もしてくれなかったのに、何で今頃」という悔しさで

義母の胸は張り裂けそうになったそうです。

今夜が峠だと言われていた夜、一同は義母を含めて母の枕元に(少し離れて)集まりました。

わずかな灯りの中、母親が苦しそうに呼吸をしているのを義母は見つめていたそうです。

すでに母親に意識はなく、数日前から会話もできない状態になっていました。

だんだん夜が更け、やがて朝が来る時間になっても母親の息が続いていたので、

義母は母親がまだ死なないんだと安心したそうです。

その時、玄関から納戸を叩く音が聞こえました。

音はドンドンドン、ドンドンドン、と何度も続いているのに、

室内の親戚は誰も玄関に向かおうとしません。

たまりかねた義母が、「誰か来たよ」と親戚に言ったそうです。

すると、「何を言ってる、こんな時間に誰も来ない。

親戚はもう全員揃っている」と言われてしまいました。

何度を叩く音はまだ続いています。

義母は「でも、誰か玄関の納戸を叩いてるよ。」と言いました。

しかし、みんな「何も聞こえない」と言うばかりです。

義母はそれを聞いてゾッとし、血の気が引いたそうです。

納戸を叩く音に反応した者が1人だけいました。

それは、何と意識不明の危篤状態だった義母の母です。

彼女は、うわ言を言い始めました。

最初は何を呟いているのかわからなかったそうですが、

よく聞いてみると一生懸命に

「ハイハイ、ただいま参ります。ただいま参ります。」と繰り返しているのです。

その瞬間、義母は子供なりに悟ったそうです。

誰かが、自分の母親を迎えに来て、一緒に行くのを待っているのだと。

母親にはその声が聞こえている。

だからもう助からない。

うわ言はしばらく続いたものの、やがて義母の母親は眠るように息を引き取りました。

同時に、納戸を叩いていた音も止みました。

義母は今でも、あの時聞いた音が忘れられないそうです。

「人が死ぬ時はあの世からお迎えが来る」とよく聞きますが、

玄関に現れて納戸を叩いていた者は、あの世からの使者だったのでしょうか。

義母は今でも言います。

明け方に連絡もなしに訪問してくる者を迎えてはいけない、

呼ばれても決して返事をしてはいけない、と。

あの世に連れて行かれてしまうからだそうです。

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