友達が持ってきた写真
半年くらい前、友達が電話で今から行ってもいい?と言うので構わないよと家に招きました。
家に来ると友達はバッグから一枚の写真を取り出して、これなにかあるのかなぁと言って差し出してきました。
写真を見ると、友達の飼い猫が寝ている姿が写っているのですが後ろに見える木が不自然にグニャリと歪んでいました。
その木は私も何度も見ているので、元々の形ではないことは分かりました。
現像したらこうなっていて、不気味だから気になったんだと友達は言いました。
青い蛇
写真を良く見ると、木には濃い青い色をした蛇がいました。
木は歪んでいるのに、その蛇は全く歪んでおらず、むしろその蛇の周りが歪んでいる状態でした。
ここに蛇がいるけど、気付いてた?と聞くと、友達は蛇の姿なんて見えないと言いました。
かなりハッキリと写っていたのですが、私にしか見えていないようでした。
なんだか怖いから、この写真を預かってて欲しい、なんなら燃やして欲しいと頼まれたので、ちょうど京都の知人と会う約束をしているからそのときにでも燃やすか何かしておくよと約束をして、友達は帰って行きました。
写真のお焚き上げとネガ
心霊写真を処分する場合の多くは神社などでお炊き上げをします。
ようは焼いて祓ってしまおうということなのですが、預かっていた写真も同じようにしようということになりました。
お世話になっている小さな神社の神主に御願いし、写真は無事に焼いたのですが肝心なことを忘れてしまっていました。
この場合はネガも処分すべきなのですが、別件の用事で頭がいっぱいだった私は当日に思い出してしまいました。
すぐに友達に連絡をしてネガを取りにいくと言ったのですが、そこまでしなくてもいいよ心配性だね、なんて笑って電話を切ってしまいました。
その後は掛けなおしても通じませんでした。
仕方なく、ネガはまた後日ということになってしまいました。
突然の絶縁宣言
翌日、早いほうがいいような気がして私は友達にラインをして家までネガを取りに行きました。
出迎えてくれた友達の口からは、暴言が出てきました。
いつまでそんなの信じているの、中二病は卒業しなよ、蛇なんて写ってないじゃん、心霊ごっことかバカじゃん?と。
こんなこと言う子ではなかったので驚きましたが、相手が望まないことを押し付けることは出来ないのです。
じゃあ処分はしない、それでいいね?と確認をしたところ、もう連絡先も消してね友達もやめるからバイバイ!と怒鳴られてドアを閉められました。
私はもうなにも出来なくなりました。
死んだ猫
一週間くらい経ったころ、友達が家に来ました。
うつむいて半泣きで、小さな声でごめんなさいと言うので、慣れてるから大丈夫だよ、上がってと家に上がってもらいました。
泣きながら、友達は何があったかを話してくれました。
なぜあんなことを言ったのかは自分でも分からないこと、そして、あんなに大切にしていた猫が死んでしまったこと。
その猫の死に方が普通ではなかったこと。
友達の家では、猫は庭までは外に出していました。
いつも夕方になるとご飯の催促があるのに、その日はなかったので珍しいなと思い名を呼びながら探したそうです。
すると納屋の中で、古くなってくすんだ青い色のロープが体に巻きついて死んでいたそうです。
苦しかったようで、体を爪で引っかいた跡やロープに引っかかって爪が抜けて血がでていたんだと、本当に悲しそうに胸が苦しそうに泣きながら話してくれました。
悲しい結果になってしまいましたが、写真との因果関係は分からないまま、ネガはちゃんと燃やしました。
猫が犠牲になることは、なぜかとても多いんです。