これは私が実際に体験した話です。
私は母と姉の3人家族で母は看護師をしています。
その仕事柄のせいか連れて来てしまう体質になってしまったのです。
姉は感じるは感じるタイプですが特別霊媒的な体質ではありませんでした。
私は霊と波長の合いやすいタイプだそうで身体的にも被害が多く出ていました。
例えば金縛りや悪夢,誰かがヒールでずっとついてくる音や地下の扉を叩くような音が時折聞こえていました。
ある日母に相談したらこれはいけないと地方の御寺へと後日連れていってくれました。
そこでお坊さんに聞いたところ母にも何体か憑いていたらしく数時間をかけて除霊を行いました。
私もお願いしようとしたところ私には1体も憑いていないがその代わり霊が好む匂いのようなものを
発していてそれを治すためには(蔵入り)という除霊方法を行わないといけないと言われました。
内容を聞くと寺の裏にある雑木林に人1人入れるほどの小さな蔵がありそこに8時間声を出さず
横にならず眠らず灯りをつけずに蔵の外の周りに気を張るというものでした。
寺の裏の雑木林には祓いきれなかった大量の霊が一帯に封印されているそうなのです。
蔵に数時間入り息を潜め続けると強い霊の霊気に晒され
生きていながら霊の同類のような匂い?を身に付けられるそうです。
山道を30分ほど歩くとそこには小さな蔵があり「あそこだ」と言われそこに入り手順を振り返りました。
決して音を立てるな,決して声を出すな,決して眠るな、決して横になるな、
決して自分から扉を開けるなこれを守れば無事に終わる。
蔵に入ってからは明かりもなく時間を確かめようにも時計も見えないし携帯も使えないのでとてもとても暇でした。
数時間が経った頃でしょうか。蔵の外から足音が聞こえてきて蔵の周りを歩き回り始めました。
蔵自体も古く小さな穴が複数空いていてそこから月明かりが溢れていたので
その穴から外を覗くと白い服や黒い服子供や大人たくさんの生気のない人達がいっぱい歩き回っていて
そのなかには顔が焼け焦げていたもの人形などもあり思わず「うっ」と限り無く小さな声でしたが出してしまいました。
その瞬間でした。
皆が一斉にこっちを向き蔵に向かってきたのです。
蔵を揺らし叩きドアを開けようとする音が無数になり響きもう気が気でありませんでした。
そのとき「おい!大丈夫か!わたしだもう平気だから開けなさい!」とお坊さんの声が聞こえたのです。
私はやっと終ったやっと帰れる助けてくれると思いドアを開けようとすると
ドアの向こうから「クスっ」と小さく笑う声が聞こえ我に返りました。
そのときお坊さんが言ったことを思い出したのです。
「決して自分から扉を開けるな」
この声はお坊さんだがこの扉の前にいるのは絶対にお坊さんじゃないと確信したのです。
そもそも蔵の扉は内鍵も外鍵もなくお札を貼ってあるだけで普通の人なら開けられるからです。
恐怖に怯えていると「ちっ」と聞こえ音が鳴りやみました。
そのまま数時間でしょうか茫然と辺りに気を配っていると
やがて朝になっていてお坊さんが扉を開けて迎えに来てくれたのです。
「よく我慢したこれで大丈夫」そう言われ涙が止まりませんでした。
この除霊を行った場合人によるが15年は安心できるそうです。
ですが15年後またやらなければいけない状況になると思うと今でも背筋がゾッとします。
私は期限まであと5年です。