祖母の不調
私が記憶にないほど幼かったとき、私には両親に見えていないものが見えていたそうです。
両親は子供の頃はみんなそんなものだと言っていましたが、大人になったとき改めて、
頭と体でその感覚がわかるようになると本当に恐ろしく感じます。
私の祖母はご先祖様を大切に想う人なので、毎日のお供えや挨拶を欠かしたことがありません。
そんな祖母は幽霊に好まれる体質らしく、見ることこそできませんが体への違和感や不調となって現れるそうです。
しかも他人に憑いていた霊でさえも祖母へ移るほどらしいのです。
あるとき祖母は友人と数名で九州の知覧という土地に旅行に行きました。
この場所は戦時中に特攻隊の基地が存在した場所として、現在も記念碑等が祀ってあります。
この旅行後に祖母は両肩に何かがのしかかっているような酷い肩こりに襲われたそうです。
不調の原因
整骨院や整体に通いましたが良くならず、友人の勧めでお寺に行って観てもらうことにしました。
そのときの住職から言われた内容は、祖母が先祖を本当に大切にしていることと、
何に対しても優しいことが多くの霊を寄せ付けていることにつながっていると、
その結果として本来一体だけのはずが、このときは合計三体もの霊が祖母の側に存在していたそうです。
祖母は笑いながら、ひとつは狐の姿をしたもので、もうひとつは特攻服を着た若い青年だったと話していました。
霊感は体質ではなく意識するかしないかの問題
昔はそんなことあるわけないと考えていましたが、自分の体質が祖母の体質に近くなるにつれて
祖母の話が少しずつわかるようになってきました。
体質の変化は些細な出来事でしたが、絶対にいないと思っていた存在が、
もしかしたらいるのかもしれないと本気で意識した瞬間、
彼らは本当に存在し感じることができるようになるのかもしれません。