私は数年前にBさんという方と取引先で知り合いました。
私より年上の方で、お金を溜めたり節約し、
休みがあれば全国の廃墟や珍しいスポットを車等で周るという面白い方です。
Bさんとは月に1回は飲みに行ったり、あったり連絡しあう仲です。
そんなBさんが怖い体験を何度かしてるので聞かされた話があるので紹介したいと思います。
これは、Bさんが今年の夏、神奈川県の相模原に行った時の事です。
暑い最中、彼は一つの目的があって相模原市に入りました。
夜に車を出して、早朝到着しました。
相模原市の某黒猫運輸の近くに中古車のタイヤを販売する場所に行きました。
そこには昔、良くサービスエリアなどに存在したそばやうどん、飲み物等の自動販売機がずらりと並んでいました。
オーナーの趣味なのかどうかはわかりませんが、
一直線に様々な種類の自動販売機がずらりと並んでおり、コインを入れれば食べて買えるという場所だったそうです。
地元や県外の人も来ていて、Bさんは写真を撮ったり人と話したりして暑い夏を自販機周辺で楽しんでました。
腹が減れば自販機で食事。
喉が渇けば冷たいものを飲む。
疲れたら車に引き返して寝る。
それを繰り返してました。
Bさんは車内でエアコンを掛けて午後15時頃、
ワンボックスカーのシートを倒して布団を掛けていつの間にか眠りに落ちてしまいました。
ふと起きるともう、夜中の1時になってました。
前日の深夜になるまでの仕事と疲れ。
間髪入れず夜明け前に出発した疲れが見事に出ていました。
日中や見物客は流石に昼間程少なくなっていて人も2,3人まばらにくるだけでした。
Bさんはトイレに行ったり、小腹がすいたので自販機のカップヌードルを2個出して食べました。
食べながら、そこには「めっせーじのーと」と書かれたノートが数冊あり、
Bさんはコメントや感想を書きながら食事してました。
この時、Bさん以外は誰もいませんでした。
夜で昼間より涼しくはなってましたが、暑さはまだありました。
ノートのコメントを書いていた時に、突如ガコンと音がしました。
とても大きい何か殴った音だったそうです。
音の方を見るとうどんとそばが出る自販機の方でした。
ですが、誰もいません。
ガコンと今度はBさんの隣から音がしました。
見ると昔のジュースの缶が何故か販売機から出てきてました。
何か変だなと思った瞬間、Bさんは急激に背筋に感じたことのない寒気を覚えました。
ふと自動販売機の右端の方を見るとうっすらと人の姿が見えたそうです。
見ると髪が長く前髪が隠れてやせ細った女性が突っ立っていました。
(何だ人か…)とBさんは一瞬思いましたが凍り付きました。
その痩せた女性の膝から下が見えないのです。
白い服でとても不気味に見えました。
Bさんは身体が固まり少し動けなくなりました。
するとその女性はゆっくりとBさんの方を振り向きました。
顔は前髪で見えなかったけど口元だけ見えました。
頬骨は骸骨のように痩せこけて、口を開いてニッと笑いました。
しかも笑って見えた口の中は歯がだいぶ抜けていて2、3本しかなかったそうです。
「うわーっ!!」怖くなったBさんは全速力でワンボックスカーに走り、とっさに乗り込みその場を去りました。
しばらく走りコンビニに止まり、ガタガタ震えが止まらない手で缶コーヒーを買い、落ち着くまで車の中で待機してました。
朝日が昇り、ちょっと安心し、Bさんは怖いながらも再びタイヤ市場へ行きました。
一人だけトラック運転手風の男性がパンを買って食べていました。
その女性はいませんでした。
その後、次の場所を見に行かなければならなかったので、Bさんは車で相模原市を後にしました。
その後何もありませんでしたが、「あの夏に見た女性はとても怖かった」とこの前の飲み会で話してました。
Bさんが、あの夏の夜に見た女性は霊だったのでしょうか?
そんなBさんから聞いた怖い話でした。