寒い冬が近いある日、私は友人とドライブで神奈川県相模原市のとある山道を車の運転していました。
助手席には友人。
2人で色々な話をしながら、山道を進んでいきました。
その山道は、地元でも有名な心霊スポットと言ってもいい場所で、度々目撃したなどの話をよく聞いていました。
橋の途中で女の人に追いかけられるとか、ふと窓の外を見ると女の人が窓にへばりついていたとか、
車に手形が付いていた…などなど、噂が多い場所ですが、その辺りは住宅も多く、特に気にせずに車を走らせていたのです。
私達はもうすぐ山道を抜けるか抜けないかの場所で声を上げました。
2人ともはっきり見てしまったんです…。
横断歩道に俯く1人の男性を…。
道路と横断歩道ギリギリの場所で、不自然なほど首を曲げ俯いて立っている男性の格好はアロハシャツのような薄手の半袖にカーキ色の半ズボン。
今は冬で、ここは山道です。
そんな格好で外に出るなんてこと、普通はできませんよね。
しかもどう考えてもおかしい俯き方なんです。
だらりと腕を下げ、普通の人がしたら首が痛いと思うほどに俯いているんです。
そして何より不思議なのは、一瞬通りがかりで見ただけなのに、はっきりと見えてしまったことです。
私達は怖くなり、あれは人だったと思いたかったので、すぐにUターンしてその場所に戻りました。
その時間は1分もなかったはずです。
なのにその人はもういなかったんです…。そのまま元来た道を戻っても、歩いてなんかいない。
近くに隠れる場所も、脇道もない。
私達が見たあれは、一体なんだったのでしょうか。
今でも不思議な、少しヒヤッとした体験です。