友人が体験した話です。
友人が当時一人暮らししていた場所は、
札幌市内の市営地下鉄東西線のとある駅付近でした。
その駅から毎日、職場まで地下鉄を利用して通っていたそうです。
市内の繁華街の1つが自宅の最寄駅のすぐ近くにあるため、
帰りが遅くなった場合も人通りが多く、
安心して帰れると当時彼女は喜んで話してくれました。
しかしある時、彼女は突然引っ越します。
数年住んだわけでもないのに
違約金を支払ってまで引っ越したとのことで、
何かあったのかと心配して話を聞きました。
すると驚くような話が彼女の口から飛び出したのです。
それは数ヶ月前のこと。
仕事がいつも以上に遅くなった彼女が
地下鉄で自宅の最寄駅に着いたのは、
23時を回っていたそうです。
すぐにでも帰って寝たかったそうですが、
地下鉄を降りた直後に急に腹痛に襲われた彼女は
自宅まで我慢できる自信がなく、
今まで使ったことのないその駅のトイレへと駆け込んだそうです。
駅の中でも少し奥まった場所にあるそのトイレは
なにやら薄暗く、あまり綺麗でもなかったため、
急いで出ようと思ったそうですが、
どうしても腹痛が落ち着かず少しの間
個室にこもっていたそうです。
なんとか少し落ち着きトイレを出ようとしたその時。
バタバタッと音がしたそうです。
誰かがトイレに駆け込んできたのかと思った彼女。
鉢合わせは気まずいとしばらくトイレで様子を伺いましたが、
隣の個室へ入る音もしなければ出て行く音もしません。
もしかして洋式が空くのを待っているのかと思った彼女が
慌てて個室から出てみると、そこにはだれもいませんでした。
確実にトイレへ駆け込んでくる音を聞き、
その後そこから動く音はしていないにもかかわらず、
そこにはだれもいなかったのです。
血の気の引いた彼女はすぐに帰宅し、
震えながらもその駅についてネットで検索したそうです。
すると、某事故物件の紹介サイトにその駅の名前が。
恐る恐る内容を確認すると、10年以上も前になりますが、
彼女が利用した地下鉄駅のトイレで女子高生が、
不審者に刺殺されるという事件が起きていたそうです。
自分が聞いたのは殺された女子高生が苦しむ音だったのか?
そんな妄想が頭から離れず、その地下鉄駅を利用することすら
恐ろしくなった彼女はそれからすぐに引越しを決めたとのことでした。
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