最後のお別れをおしえてくれたおじいちゃん(千葉県佐倉市)

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これは、今から7~8年ほど前のことです。

結婚する前は千葉市内の実家で暮らしていました。

田舎の町で隣には祖父の弟の家があり、
そのおじいちゃんには小さい頃から遊んでもらったり、

出かけるのを見かけると近くのバス停まで車で送ってもらったりなどしてもらい、
色々とお世話になっていた、大好きなおじいちゃんでした。

私も結婚をし、初めての子が生まれた時も見せに行き、「かわいい子だな~」などと喜んでくれました。

数年後、実家の母からあまり家の外に出てこなくなったと聞き心配していましたが、

やがて介護施設に通所していたり、入院をしたりしているしているようでした。

娘が7歳くらいだったと思います。

母から「隣のおじいちゃん、あまりよくないみたいよ」と聞かされました。

既に自分の祖父母は他界していたので、「とうとうかな…。」とさみしくおもっていました。

その隣のおじいちゃんが、亡くなる1~2週間くらい前だったでしょうか。

我が家に不思議なことが起き始めました。

ある日のこと、夜に、物置代わりにしている部屋から娘が血相を変えて走ってリビングへ戻ってきました。

どうしたのかと聞くと

「奥の部屋の段ボールの上に、白い顔をした人がさかさまになって見てた!!」と…。

私も「えっ…」と思いましたが、確かめに部屋へ行きましたが、

そのように見えるものは見当たらず、

「気のせいじゃない」と、なだめました。

その後も自宅に(公衆電話)と表示された電話が数回ありました。

しかもいつも無言電話。

腹立たしく思っていると、ある日の無言の公衆電話からの着信を取った時にふと頭に

「これ、病院からの電話…?」と思ったのです。

はっ、と思い、「じいちゃん⁈」とたずねようとしましたが、切れてしまいました。

その翌日くらいだったと思います。

実家の母から、隣のおじいちゃんが病院で亡くなったと、電話があり、

告別式に行けるかどうかわからない、相談をしていると、

部屋の窓から「コンコン」と音がしました。

白い顔のことですっかり臆病になっていた娘は

「なんか音がする~!」とおびえていたので、

「かぜじゃないの?」と母を待たせて、窓を開け確かめました。

…風など吹いていませんでした。

そのことを母に話すと、

「隣のおじいちゃんが来てほしいって言ってるのよ。」と言われ、

明日の告別式に行くことを決めました。

すると今度は、玄関のドアが、バタン!!

娘に「パパが帰ってきたんじゃない?おかえり~」と言って電話をしながら玄関をみたら、誰もいないのです。

娘は呆然と立っていましたが、母から言われました。

「あなたが明日来るって言ったから安心したんじゃないの?」と。

翌日、隣のおじいちゃんの最後のお別れを娘と一緒にしてきました。

昔からいたずら好きで、よくおどかされたりしました。

最後までいたずら好きなおじいちゃんでした。