今から10年前、私が大学生だった時の話をします。
当時仲の良かった友達で、怪奇現象の事を全く信じていない男友達がいました。
例えば、テレビ番組で見かける「森の写真の中に人の顔が見える」という投稿写真。
その男友達が言うには、あれはアルミホイルを人型に切って、
反射させて森の葉っぱに映しているから嘘だよ、と言って信じませんでした。
そんな時、その男友達が大学の近所にある怪奇現象として有名だった、
心霊スポットに行こうと私や友達を誘ってきたのです。
その心霊スポットとはトンネルでした。
私は幽霊はあまり信じていませんでしたが、
以前占い師に「霊感がある」と言われたり(実際、霊は見たこともないし、そのような気配をしたこともありませんが)、
虫の知らせがあったり、暗いところが苦手だったりして行く気にならず、断りました。
結局、その男友達と誘われた私の友達4人の合わせて5人が、トンネルに行くこととなりました。
翌日、その友達全員に会って話を聞きました。
なんと、トンネルに入った友達全員が怪奇現象にあった、と言うのです。
ただ、恐怖におののいたと言うよりは、大学生特有のキャーキャーとした興奮状態だったのを覚えています。
昨夜、大学での講義が終わった後、友達は5人で外食をし、
深夜になるまでカラオケに行って時間をつぶし、気持ちを盛り上げたようです。
そして深夜1時過ぎ。
トンネル付近に車を停めて、離れ離れにならないように、友達5人は手をつないでトンネルの中を歩いたそうです。
懐中電灯もつけず、5人はしっかり手をつないでまっすぐ歩き、トンネルを渡りました。
渡りきった後、友達全員はホッとしたそうです。
「何も起きなかったね」「幽霊出なかったね」なーんだと笑ったそうです。
しかし後から気付いたそうです。
トンネルを歩いている間、全員が両手をつないでいたという事に…。
両端を歩いていた友達も、友達の手を両手ともつないでいたそうです。
え、誰と?並び順を確認しても、誰と手をつないでいたのか思い出せなかったそうです。