これは私が関東で父と二人暮らしをしていた時の話です。
その時私達は田園都市線の長津田という駅前に住んでいました。
都内から引っ越してきたのですが、部屋の第一印象が、居るんです。
ちなみに父は幼少期から霊感が強く、どうやら家系のようで、
私も父ほどではないですが、感じやすい体質でした。
間取りは2K、玄関を入るとキッチンがあり、奥に2部屋並んでいるような造りでした。
恐らく部屋に入り感じたのは水子だろう、と父が言うので、あまり気にせずに生活をしていました。
住み始めてから数か月ほど経った、深夜のこと。
私は人の話し声で目が覚めました。
私は奥の部屋に寝ていたのですぅが、私の部屋の外に小さな小道があったんです。
人二人が横並びで歩けるくらいの。
私も半分寝ぼけていたので、どうせ酔っ払いだろうと、あまり気にも止めませんでした。
何だかゴソゴソ音がするなぁ、くらいで聞いていたのですが、はっきり聞こえたんです。
「・・・行こうよ」
?私は一瞬戸惑いましたが、恐らく連れの人が潰れてしまったんだろう、とまた睡眠に入りました。
しかし、どうやら、様子がおかしいんです。
「・・・行こうよ」
「・・・行こうよ」
一定の間隔で、何度も繰り返すんです。
しかもクリアに聞こえる。
私は布団から起き上がり、窓の外を見ようとしました。
すると、突然父が、
「駄目だ!」
と、努めて小声で諭すように、言ったんです。
そこで私は気付きました、この世のものではないんだ、と。
しばらくすると何も聞こえなくなり、ホッと一息を付いた瞬間です。
「ピンポーン」
「ピンポーン」
部屋のチャイムが鳴りました。
私は恐怖で体を震わせていました。
気が付いたら、私は眠っていて、気付いたのは、翌朝です。
朝、父に昨夜のことを話したら、窓の外を見ようとした私に驚いたらしいんです。
だって、父にはこう聞こえていたそうです。
「一緒に、、、行こうよ」