これは親友のお姉さんが実際に経験した話を後日私がその親友から聞いたものです。
その親友の家はクリスチャンホームで度々教会のイベントあるとのことでした。
今回はその一環として全国の中学生の教会に通う子供たちを集めて旅行を楽しみながら聖書の学びをするというものでその年は沖縄旅行でした。
ご存知の通り沖縄といえば綺麗な海に南の温暖な気候でバカンスとしても人気があるとともに、
太平洋戦争時には日本で唯一の地上戦となった地でも有りひめゆりの塔をはじめ、
大小様々な壕や戦争の傷跡がまだ生々しく残る歴史を学ぶ場所としての姿もあります。
親友の姉は比較的霊感と言いますか、幽霊を見ることが多い人で、あっけらかんとした性格ながら、
旅行出発前から沖縄という場所柄、体質によって怖い思いをしないかと多少の心配を抱え沖縄に向かったと言います。
教会の平和を知るという目的の旅行ですので当然戦争に関連したスポットに旅の前半は多く見学したのですが、
その際は何事も無く家族へ送ったメールや電話も友達が沢山出来て楽しいっといったもので、
親友からちょこちょこ話を聞いていた私も安心したのを覚えています。
そうそう簡単に怖い思いなんてしないよなと、残った者達は皆思っていました。
後半は沖縄の今を知るという目的で海で遊んだり、パイナップル狩りをしたり、
バナナボートで川下りをするという、聞くだけでも楽しそうな日程でした。
ここまで来ると誰も親友のお姉さんの体質へ対して心配することは無く、
無事に帰ってくることを楽しみに待っていました。
それは、海で遊ぶ日。
1本のメールが親友の家族に届いたのです。
「どうしよ、海が赤い」
これを見た瞬間は意味がわからず夕焼けかなんかで海が赤く見えて綺麗だと言いたいのかと思ったそうですが、しばらくするともう1本メールが届きました。
「私、人踏んでる」
血で染まった海の浜辺に沢山沈む死体の山。
実際に昔そのようなことがあったのかは分かりませんが、お姉さんの目には確かに海は青ではなく赤かったようです。
その後お姉さんが無事に帰ったと聞いたのであの海以外は何も無かったのかホットしたのですが、後日親友からこんな話を聞きました。
海に向かったあと最終日にバナナボートに乗るイベントが有り、お気に入りのグループのTシャツを着て参加しました。
バナナボートの川下りなので当然飛沫がかかったり水を浴びることが当然です。
ビショビショに濡れた服をビニールに入れて着替えて帰宅しました。
親友のお母さんが服を洗濯しようとバナナボートに使ったTシャツが入っているビニールを見るとビニールの中が真っ赤な血で染まっていました。
Tシャツを取り出してみると飛沫を浴びたようなそのままの形に血がかかっており、もう黒く変色していました。
着替えた時には特に異変はなかったそうですが、誰の血なのか、どうしてついたのかは、未だ謎です。